2024年08月09日
食べものが楽しめる絵本
今年度、2回目となります神戸市立中央図書館の児童担当司書チームです。
今回は、「食べもの」をテーマにして楽しめる絵本を紹介します。子どもたちは好きな食べものやおいしそうな食べものの絵が描かれた絵本が大好きです。読んでいると、口を開けたり、手を出してまねっこで食べてくれる子もいます。大人が一緒にまねっこで食べてあげるのもいいですね。
定番の絵本
『くだもの』 平山和子/さく(福音館書店)
丸ごとのくだものの絵があり、次のページで皮がむかれてカットされたり、皿に盛りつけられたりして、「さあどうぞ」と差し出されます。どのくだものもリアルでとてもおいしそうに描かれています。子どもは思わず、手を伸ばしてしまいますよ。くだものの名前を覚えるのにもおすすめです。
次は、「おべんとう」と「サンドイッチ」がテーマの絵本を一冊ずつ紹介します。どちらも同じ作者の作品です。料理することでより食べものの魅力がアップします。
『おべんとう』 小西英子/さく(福音館書店)
空のお弁当箱に、ほかほかのごはんやふんわりたまごやぷりぷりウインナーなどのおかず、最後は真っ赤ないちごのデザートまで詰めたら、おいしそうなお弁当の出来上がり。お弁当を持ってどこかに出かけたくなります。
『サンドイッチ サンドイッチ』 小西英子/さく(福音館書店)
真っ白なふわふわの食パンにバターを塗って、レタスをのせて…。トマトにハムにチーズなど、次々と具材をのせていきます。サンドイッチが出来上がったら、「いただきまーす!!」。みずみずしく色鮮やかに描かれていて、とてもおいしそうです。
食べものがしっかりと描かれている絵本を3冊ご紹介しましたが、次は、幼い子どもにとって、もっとも身近な「食べる」ことの楽しさが伝わる絵本です。
『おいしーい』 いしづちひろ/さく くわざわゆうこ/え(くもん出版)
小さい子どもが、ころころおにぎり、ほくほくのかぼちゃ、とろんとろんのスープなどいろいろな食べものを口にして「おいしい」と満面の笑みで喜んでいます。最後は、ママの手作りのホットケーキを食べて、家族みんなで「おいし~い!」。おいしいものを食べてみんな幸せそうです。
最近出版された絵本
『くだものころん』 彦坂有紀 もりといずみ/さく(講談社)
りんごころん。ももぷりっ。さくらんぼぷらーん。みんながよく知っているくだものを、木版画で色、形、質感をリアルに表現したボードブック絵本。「ぎゅっ」「ぱく!」「じゅわ~」などのオノマトペ(擬声語や擬態語)の語感も、単純で心地よく、楽しく感じられます。
『まぜまぜぷーちゃん』 たるいしまこ/さく(リーブル)
ぷーちゃんがヨーグルトを食べようとしたら、いちごさんがころころころ「ぷーちゃん、まぜまぜしてー」と、やって来ました。ぷーちゃんがまぜまぜしていると、今度はバナナさんがぴょんぴょんやって来て…。さて、ぷーちゃんのヨーグルトはどうなったのでしょうか?離乳食が始まり、スプーンやフォークを持てるようになった時期のあかちゃんにおすすめです。
『いただきます ごちそうさま』 たけうちちひろ/さく(BL出版)
イモムシが「いただきます」と言って、キャベツをぱりぱりむしゃむしゃと食べます。食べ終わったら、「ごちそうさま」。へびやさるも、最後はあかちゃんも「いただきます」と「ごちそうさま」をします。一緒に声に出して読むと楽しいですよ。明るい色彩の切り絵の絵本です。
どの本も、とても単純ではっきりした色使いで描かれていますので、あかちゃんでも認識しやすいと思います。また、今回もオノマトペ(擬声語や擬態語)がたくさん出てきます。絵本は、絵と同じくらい音も大切です。音の響きも楽しんでください。優しい響きの言葉なので、ゆっくりと読んであげてください。一緒に楽しんでいるという雰囲気が何より大切です。
こちらでご紹介した本は、どれも図書館で借りることができます。まずは、実際にお近くの図書館で手に取って、お子さんに読んであげてください。
図書館司書チーム
(司書・神戸市立中央図書館職員)
神戸市立中央図書館の司書として、おはなし会で読み聞かせに携わるなど、子どもの読書活動の推進に取り組む。毎年新たに出版される4,500冊以上もの児童書に目を通して本を選んでいる知識を活かし、おすすめ絵本を紹介。さらに、読み聞かせのコツや絵本をもとにした遊びなど、司書チーム4名のリレー形式でコラムを執筆予定。